ジャズ蛍
るるりら

この気持ちは悲しみというのだろうか
涙を吐き出すだけ吐き出して
マグマのようになった僕
僕は歌わずにいられない

歌おう
闇の底の水の色
かたい岩をくぐりぬけて
滴りおちる力を
みぞおちの深いところの思いを 
歌おう


熱を持たずに
光になって
歌おう
地下水脈のように 確かに
歌おう

暗闇の中のプリズム
僕は、脈うつ発光体



これは喜びというのだろうか
だれだろ やわらかい声をしている

僕は歌う。そして聞こえる

闇の底の水の傍
茂みの奥の葉の裏で
その声は聞こえた

僕が叫ぶように歌う ちょうどいい間合いで その歌は
「ひとりでないって すてきなことよ」
そんな風な歌だった


自由詩 ジャズ蛍 Copyright るるりら 2005-05-28 14:24:58
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