苦しみの量
黒髪

苦しみを倍増やしたら
彼は倍苦しんだ
苦しみを半分にしたら
彼は半分の苦しみだった

しかるに苦しみには何の益もないのだろうか
そうではない
苦しみには意味がある
すべての物事には意味があり
自分から進んで得たのではない苦しみは
彼の魂の価値を明かしている

つまり後において
苦しかったなあというならば
懐かしさとともに
過ぎた苦しみを
湯をかけ流すように
洗い流せる

苦の縁を良くするならば
縁起の法に従って
人々の分の苦しみも減る
それはとても難しいが
魂の理論によってその縁は説明されるので
あらゆる人がその方法を直覚している
ある人が間違った方法を取ったと思うならば
それはそのとき最善の方法をとっても
そうしかならなかったということなのである

分断された心と心がいつかつながると信じている


自由詩 苦しみの量 Copyright 黒髪 2025-04-18 21:31:11
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