苦しみの量
黒髪
苦しみを倍増やしたら
彼は倍苦しんだ
苦しみを半分にしたら
彼は半分の苦しみだった
しかるに苦しみには何の益もないのだろうか
そうではない
苦しみには意味がある
すべての物事には意味があり
自分から進んで得たのではない苦しみは
彼の魂の価値を明かしている
つまり後において
苦しかったなあというならば
懐かしさとともに
過ぎた苦しみを
湯をかけ流すように
洗い流せる
苦の縁を良くするならば
縁起の法に従って
人々の分の苦しみも減る
それはとても難しいが
魂の理論によってその縁は説明されるので
あらゆる人がその方法を直覚している
ある人が間違った方法を取ったと思うならば
それはそのとき最善の方法をとっても
そうしかならなかったということなのである
分断された心と心がいつかつながると信じている