あるコトバの死
栗栖真理亜

〝この詩はまるでシュールレアリズムだ〟
誰かが言った
〝いや、タンビ主義だよ〟
鼻を鳴らしながらもう一人が苦笑(わら)った

まるでコトバの葬列だ

湧き出る泉から汲み採られたばかりの詩が
使い古されたコトバによってもみくちゃにされ
ボロ雑巾のように転がっている
翼の折れ曲がった想像の欠片が苦渋に悶えながら
無惨にもぶら下がっている

新しさを追い求めながら結果的に古きにすがりつく創り手側の欠如は
創造を司る神の責任か?
怒りの拳を振り上げ怠慢な所業に克を入れなければ
脈々と受け継がれる悪しき血脈を断つ事は出来ぬであろう

今こそ新鮮な力で持って古狸の腹を蹴り倒しその息の根を止めるのだ


自由詩 あるコトバの死 Copyright 栗栖真理亜 2025-04-17 10:41:45
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