春のダルさ一覧表
まーつん
春のだるさ
それは、
周りのテンションの高さ
家族連れ、カップル
一族郎党引き連れてのそぞろ歩きと
それを通りすがりにチラ見して
俯く独り身の我、ポケ手して早歩き
春のだるさ
それは、
急に優しくなった天気
乙女の抱擁の様な外気の温もり
母の慈愛を思わせる日差しの輝き
そんな冬との落差に調子を崩す
逆境の中でしか落ち着けない
ガタのきた身体
春のだるさ
それは、
花壇に咲き乱れる花の色彩が
寝不足の目に痛い時
昨日までわが身を重ね、親近感を抱いていた
冴えない雑草すら小さな花を咲かせて
花粉混じりの吐息を吹きかけ
微笑んでいるのを見た時の
裏切られたような気分
春のだるさ
それは、
新入生が初々しく歩き
新社会人がさっそうと進む中
何一つ刷新できない惰性を着込んで
会社に急ぐ我の既視感
春のだるさ
それは、
押し付けられる目覚めと
まだ夢の中に、まどろんでいたい願望
布団の中から伸ばした手で
押しのける暁
春のだるさ
それは、
何も芽吹かない自分と
新緑のみずみずしさ
その落差
春のだるさ
それは、
醜さを隠し、視線を跳ね返すため
鎧代わりに着こんでいたコートを
無理やり脱がしにかかる
ポカポカ陽気
春のだるさ
それは、
愛の押し売りの様な心地よさと
それを受け止めきれない
卑小な器
春のだるさ
それは、
慈悲深く供されるやり直しの機会と
それを拒んで横に振られる
嵩張る知恵で重くなった
頑迷な頭
春のだるさ
それは、
香り立つ幸福の予感と
それに戸惑いはしても、信じることのできない
ネガティヴィティ
春のだるさ
それは、
湧きいずる希望の泉と
それを干上がらせる
天邪鬼な逆張り
書いてて
嫌になってきたから
これを機に縁を切ろう
後ろ向きな自分と
難しいとは思うが
少しずつでも