サクラチル
夏井椋也


咲いて
散る

それしか
人は見ていない

散って
生きる

そのことを
人は見ていない

愛でて
酔って
呆けて
憐れんだら

人は春を忘れて

葉桜の下を
爽やかに
彷徨うのだろう




自由詩 サクラチル Copyright 夏井椋也 2025-04-11 19:18:25
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