じゆうしのお墓参り2
はるな
自由詩のお墓参り(10年ぶりの)、
黄色い花を想像しながら。
そこに何を見ましたか?
水仙、菜花、ミモザたち。
爪にもピアスをした、
耳にも、めにも、内側にも。
だから自由詩にも穴をあけてあげた。
送られてくる原稿、
金色の髪のたば、
夕暮れになると消えていくある種の感情。
何度も繰り返し使われた言葉で書かれる
自由詩のお墓参り。
そしてこれからは白い花を買おうと、
紙幣をにぎりしめて街へ出る。
風の日々に洗うのは指先、
雨の日々に濡れるのはつま先。
陳腐な言葉で作ったからすぐに腐れた、
箱のなかにいれておいたのに、
自由詩。
誰にも読めないように、
透明の紙に書きつけた
それは夜になると香る、
自由詩のお墓参り。
そこに何を見ましたか?
何を聞こえましたか。
何が香りましたか、何が、ありましたか
何も、何も、何も、何も、何も、何も、何も、何も。
でも、それはありましたよね?
と、指をさす自由詩。
透明の指、金色の髪、白い花、黄色い花。
夕暮れになると消えていくある種の感情、
陳腐な言葉で作られた箱、
何度も繰り返し使われた言葉で書かれる、
自由詩のお墓参り。