イコール
由比良 倖

左手にピックを持つと、濃いピンク色の闇が拡がる
涙の成分が違うだけで、私たちはみな
同じだと思う、誰かに馴れ合うために
闇を捨てる、軍艦みたいな色の
ドラム缶みたいな、モノクロの街へ

寒さに曲面が曲がる、ような空間
メモを取って期待を忘れないようにする
だって誰もかもがお腹に感情を抱えていて
私たちの違いは考え方じゃなくて
感情の、色の違い

誰かを殴りたくなったら、ぐっと抑えて
泣き顔みたいな能面で詩を書けばいいと教えてくれたのは
眠りとかじゃなくて寝苦しさでした
あの頃はみんな生きてたんだよ
産まれることの汚さに泣いて、プラスチックを、噛んだ

どんどん忘れていく、人間をやめていく
石になればどんなに幸せだろう、って
雲になれればどんなに幸せだろうって、
そんなことないはずの感情論がまかり通って、
ナイロン弦やスチール弦の滑らかさを忘れていく

詩とは主張ではなく、立場の違い
「あなたの立っている場所は何処ですか?」
全ての人間は美少女だった
忘れてはならない
人間であることの、冷淡さ


自由詩 イコール Copyright 由比良 倖 2025-04-05 02:33:29
notebook Home