魔法が追いつく
mizunomadoka


空気は暖かい
そして重い

死なない程度に手をつなぎ
死神と桜の道を歩く

路肩駐車。点滅信号
誰かの笑い声が遠ざかってく

腕がないおもちゃを拾う
灰衣の裾で風が舞う

浮かび、落ちる


淡く横たわる
消えた線をなぞる

十センチの箱に貼られた人類
自動的に平和になる

月灯りが照らす円錐塔
二階から縄梯子を落とす

もうすぐ死ぬから
最後の旅に付き合って

ロボット少女が
起動する










自由詩 魔法が追いつく Copyright mizunomadoka 2025-04-03 06:07:58
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