ひるこ
201

すべてあの悪夢の終わり
すべて自分が選んだと思っていた悪夢の
終わり
失われることさえなかった償いの道を往く
帰るべき場所のない罪を背負い

お前はそれを
たかが
二千年ぽっちのシンボルで片付けようと思った
最初から駄目だったのだ
死んで産まれ
産まれては死ぬ

僕ら神の子供は皆死出の旅に発つ
自分を殺すために
何度でも自分を殺すために
過去に立ち戻ることを決して許さないように
あるいはそれが
誰のせいであっても
正しさが何であるかを知るために

私は家族を殺した手で
あなたの罪を赦すだろう
あなたは私の汚れた手を取り
楽園の方を指差すのかもしれない
そうであればいいと
願ったことがない
望んだつもりもない
今宵誰もが口を閉ざしている

明日死ぬであろうあなたのために
わたしたちは永遠に歌おう
眩し過ぎて目に見えない絵を描こう
小川に手を浸して
来たところと行くところ
どちらでもない今を確かめるために
翼のない背中を撫でて

私は帰るのだろう
そしてまた行くのだろう
束の間の休息に
ただ笑っているあなたの記憶があれば
怖くはないのだ
本当に恐ろしかったものは
いつも目に見えないものだった

すべてあの悪夢の終わり
弦の切れたピアノ
もう弾くことができないと分かっていながら
それは楽器であり続ける
棄てられるべきだったのなら
死のうと思った
私はきっと正しかったのだろう
神よりも

あなたのために何が出来るだろう
壊れる前の記憶を頼りに
少しずつ産道を抜ける
生きることと死ぬことは同義だと
つまりこの暗い洞窟の
出口と入り口なのだ

なぜそんなことをするのかを私は話すだろう
あなたはきっと
ただ前に進むことを忘れないでいる
誰かが落石を避け
たいまつを翳し
私は繰り返し
この先にある土地がどんなに明るいかを
ひとり夢に見る

悪夢の終わり
私はあなたがたの名前を思い出す
もしかすると
冷たい泥の中に伏しながら
あんなにも
温かい響きがこの世にあったのかと
また
誰かも私の躯を拾い上げて
まるで
睡蓮のようだと讃えるのかもしれない

分からない
ただ今は
まだ道半ばなのだと
それだけをまっすぐに受け止める
死ぬべき時ではない
きっと
誰も
ずっと


自由詩 ひるこ Copyright 201 2025-03-31 06:49:52
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