アシナガバチ(百蟲譜52)
佐々宝砂

目覚めたばかりの女王は
お腹が空いてふらふらで
とっても孤独なのだけれど
休んでいる暇はない

誰の手も借りず
せっせと巣を作る
部屋数は十あまり
最初はそれでいい

時は春 咲き誇る野花
女王は花粉を運び巣に戻る
するとそこに霧状の何かが
巣を襲い女王を襲い

私は死んだ女王蜂と
まだ小さな巣を拾い上げた



自由詩 アシナガバチ(百蟲譜52) Copyright 佐々宝砂 2025-03-26 20:25:32
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