くじらの雲を泳ぐまで
みぎめ ひだりめ
くじらが泳いだ 雲のなか
わたしは そうっと 手を這わせ
ほつれた からだに 火を垂らせ
燃えつく心を 口ずさむ
中途半端な 感性を
握って こさえた 造形の
美しさすら 知らないが
光を帯びた その翼
飛んで 超えれぬ ものは無し
部屋で泣いてた あの少女
青髪 きらきら 揺れていた
やさしさにすら 身を喰われ
とりつく 島もないのなら
いずれ なにもか 捨て去って
ひとりで 世界を 泳ぐのか
白ざめた波に 呑み込まれ
濁流のなか もがくのか
そうして飛べよ 夢のなか
燃えゆく 我が身を 踏みしめて
ひとりで ひとりで 漂った
くじらが 誰かに 会えるよに