ほ わいと
洗貝新



                     ひとつだけ席を離れて座る
みんな携帯を見つめているから
                           混み合う電車の中には広告のチラシが 
ソとシを外して窓に映り込む外は暗い
                       
 塗り立ての白い壁を見ていると落書きしたくなるのは子供たち
 黒いマジックの    薄曇りな文字列     

                      ああ 誰かが磨いた真っ白な便器で用を足すのは  気持ちいいね

踏切を過ぎた辺りから雪がちらほら                 陽が落ちれば街は色づいて

        和紙を濡らして雪景色を施そうと思うのだけれど    ウエディングドレスのあなたが浮かばない

                            ほ!  きみは白い便器に唾を吐けるのか
 僕はティッシュに包んで そっと屑籠に棄てた  






    


自由詩 ほ わいと Copyright 洗貝新 2025-03-24 14:15:07
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