蒲鉾
たもつ
まるくなる
何もない診断書
横風が吹いて
わたしは縦を思った
たくさん浴びて
湖のほと、り
泳ぎそびれた
手漕ぎボートの
車掌の後姿が
群衆に
触れた
汗、それを
何度想像しただろう
必要と循環
蒲鉾のように
溶けてしまった
譫言のこと
初夏にほんの少し
目を瞑る時がある
瞼の内側に
微かな音がして
弔いはいつも
思い出せない
誰かのためにある
自由詩
蒲鉾
Copyright
たもつ
2025-03-24 05:07:55