春のユニゾン
海
桜の木々の輪郭がぼやけている。寒さに耐えた枝の鋭さが抱擁に目覚める時。蕾に孕んだ花びらが臨月を迎えている。メジロが梅の木から桜の木を見上げている。渡り鳥たちはすっかり旅立った。囀る春の鳥とキャリーバッグを転がす卒業生たちのユニゾン。風に混じる芽生えの音。もうすぐ笑顔が生まれるように。
自由詩
春のユニゾン
Copyright
海
2025-03-20 19:14:28