夜更かしのウィスプ
みぎめ ひだりめ
あの頃みたいに 小さな絵本を
読んで聞かせて 欲しいのだ
いつか なにもかも 忘れてさ
眠りについて しまう まで
誰も知らない 小さな部屋で
手を 繋いでいて 欲しいのだ
やわらかく 包む その指先は
どうして こんなに
あたたかい のか
オレンジ色の 眠れぬウィスプ
悲しい 幽霊と 踊って
身を寄せ合った ぼくらはひとつ
愛しい 人生の 帰路って?
朝にとろけて 枯れ落ちていく
目を瞑るのは 死んだもの だけ
終わりゆくまで 変わらないから
目を瞑るのは 死んだとき だけ