偽りの毛布
海
微睡む心地よさは檻の中
愉悦の毛布で拘束されて
その状態で完結する世界
形式に従うことが正しく
拘束を解こうとする者を
激しく糾弾し押さえつけ
コントロールの下に置く
未来を前にして失う記憶
黒塗りで排除される歴史
違和感の正体を探り出す
毛布の偽りと檻が見えた
恐怖と知ることの尊さに
飛び出して掴みたい自由
その代わり捨て去る安心
どちらを生きていくのか
毛布を持ちながら逃げる
黒塗りの闇が明けたころ
歴史のある世界を見つけ
そこにある遺跡を見つけ
やっと未来が見えてきた
コントロールから外れた
自由の孤独を知ったとき
毛布を投げ捨てて泣いた