ひと、ひたひたと
ひだかたけし

冷たい雨降り、この朝に
昨日の暖かさに嘘つかせ 

春の地に触れまた離れ 、

はんなり気まぐれ装って
うふふと冷たい雨降らす

芽生える姿をとほく近づけ 、

冬の後ろ髪にそっと触れ
自らの出番をあたためる

春の地に触れまた離れ 、

冷たい雨降り、この朝は
ひとり ひと、ひと、
ひたひたと
地に足をつけ歩みいく、

栄える富の印*を捨ておいて










*「貨幣」を指す言葉(ルドルフ・シュタイナー『悪の秘儀・アーリマンとルシファー』より)




自由詩 ひと、ひたひたと Copyright ひだかたけし 2025-03-16 19:38:59
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