キャッチボール
たもつ



父とよく
キャッチボールをした
グローブも買ってもらった
適度な距離をとり
公園や河原で
父と向かい合った

数年後、もう親と
遊ぶような年でもなくなった頃
キャッチボールには
ボールが必要なのだと
何かの番組で初めて知った

キャッチボール、楽しかったな
時々、父は言う
僕が誰なのか
覚えてすらいないのに
まるで親子のように
そんなことを言う



自由詩 キャッチボール Copyright たもつ 2025-03-15 02:13:19
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