淡く遠い
唐草フウ
初めて贈った
お手紙には
何を書いたか今となっては
たぶん初めて化粧をしたときのような
恥ずかしさと酸っぱい胸の
はつ恋
それから何年もあと
さみしく笑うから
暗がりを求めて
心の箱のふたを
探し出す
正解を見つけることと
答えを知ることは
違うことを知る
また何年かして
失うことは簡単で
居てくれたらそれでいい
時めきはおまけくらいがいい
弾ききれない水はどこかへ跳ねて、
割りきれず流れている
短針が
12を回るまで
じっとしておこう
臆病に少しほほ笑んで
自由詩
淡く遠い
Copyright
唐草フウ
2025-02-15 00:00:14