雪の中
板谷みきょう

雪の中歩いてく
膝まで埋まって歩いてく
春が来るのを信じながら
明日は明日の風が吹くと
無理をして
引かれ者の小唄を歌っていた

雪の中歩いてく
腰まで埋まって歩いてく
来るはずのない春を待ちながら
あれから明日は来なかったし
風さえも吹かなくて
後悔先に立たず噛み締めていた

今までだって嵐や吹雪の中
歩いて来た
誰もが皆そうだったし
解る事は自分の事だけ
皆いつかは死んでしまうのに
何故笑って居れるのでしょう
死ぬのが厭でも死んじまうのに
僕も笑って過ごしてる

雪の中歩いてく
首まで埋まってもう歩けない
体が冷えていくのを感じながら
せめて頭が埋まるまで
唄でも歌おうと
覆水盆に返らず呟いてた

今までだって嵐や吹雪の中
歩いて来た
誰もが皆そうだったし
解る事は自分の事だけ
皆いつかは死んでしまうのに
何故笑って居れるのでしょう
死ぬのが厭でも死んじまうのに
僕も笑って過ごしてる

僕も笑って過ごしてる

※AISUNO作曲
https://suno.com/song/7aa77a15-ef0b-4512-a920-a02986aa5475


自由詩 雪の中 Copyright 板谷みきょう 2025-01-10 21:54:16
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