ガリトン退行催眠ガリトン
瓜田タカヤ

 

悪魔の中にいる料理職人は
美しい野菜を炒めた

その前はパイプ椅子にタイミングを取りながら座った
汗をとてもかいたので、帰り道は遠くイラだった

その前は痩せていて精神的に薄暗い筋肉も多少は薄ら乗っていた
狡猾なビキニは私のボール玉から降り流れ
町に息づく呟きを、観光寺院にマイ変換し
路地裏で話しかけるブリキ板を目をつぶってへこませた。
暗会に入ることは、まだ許されてはいない。
マッチ棒ほどの小さな精神ナイフも
君にコップを買ってあげるほどにしか放熱しない
抱きしめることに何も光らない

その前は口元にはう唾液をふき取ってばっかいた
愛の信仰感は、多少嘆願的に宇宙塊を震わす方が
良く染み込んだので、そうした

波間に浮かぶ棒 服の切れ端 危なげなく踊る不倫カップル
滅光の星雲 死体を映す未来と太陽 

その前ははりきって行進したら蹴られた
砂の上でジャッキーに憧れ、腕立てしたけど
足折ってからやらなくなった
暑い日は寒くなり 寒い日は寒くなった
真夜中 ブギージョーの
どこでもセックスは
ドラちゃん以上の刺激をしたらせ
形のない形を 夢想インプトーし
振動する君のアルコール胃液臭にウットリした
目を細め自分の乳首を摘んだりして
剥きだしのハイエナ革を初めから了承しているかのように着込んでいた

金属でできた酒 夜の乗馬 危なげなく背中をさする宇宙
ワラのコブシ 滑降を崇すベロニカハート

その前は浅い所を潜水艦でゆらりゆらり彷徨ってた
行方は自分の意志で決められず 肉の管まかせにいた
緑のサンバイザーを深くかぶり実感のない実感に
呼吸の必要性を捉えられずにいた
暗会に入った

超人化のために切れ目を入れて
10本になったイヤらしい指は
僕が僕じゃないケースにまで放たれる時
迷子にならないための水掻きみたいなもの

無為の浸透性以前のようなもの

未来宇宙はゼロ歳
もともとゼロ歳で
無くなるんさ


自由詩 ガリトン退行催眠ガリトン Copyright 瓜田タカヤ 2005-05-25 05:20:48
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