コンビニ
北村 守通

わたしの田舎に

とうとうコンビニができてしまった

もう
これで
この町も終わってしまった

二十四時間
煌々と国道を照らす
白い光は
人々を堕落させるためのみに
輝く

いつでも
できるのだからと
人々から
計画性を奪い
いつでも
食べられるのだからと
人々から
冷や飯の
暖かさを奪い
あるいは
味覚を奪い
いつでも
開いているからと
丑三つ時を
ぼぅっとすごす
やりきれない時間達を
奪う

かくして
人目をはばからず
ペチャクチャと音を立てて
食らうしか能のない
朝飯を食らうのに
三十分以上もかかってしまう
能無しが
増え
人の家は
ゴミ箱だと
信じきってしまった
どうしようもない
輩で充満してしまうのだ



  あぁ
   この町ももう終わってしまった


自由詩 コンビニ Copyright 北村 守通 2005-05-24 14:31:56
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