The Morning of the Neon Demon Ⅳ
おまる

朝、窓を覗くとパラパラと雪が舞っていた
部屋は薄暗く光はほとんど入ってこない
暖をとるために薪で火を起こそうとしたが、
湿っていてうまくいかない、
何度試しても駄目だ
どうにもたまらなくなって、
それを見ているイソップにかまわず
あきらめてしまった。
うつむくイソップの後ろで
みぞれが大雪になっていた
家の外壁にトタン板を貼って風を防いでいる
寒さがじわじわ忍び寄ってきている
人も機械も冬の光の中でじっと耐えて、
再び動き出す時を静かに待っていた。
初雪が日の光で溶けた頃
干し場にある焼却炉の前で一人、佇んでいると
二人の少女が近づいてきて、
「あのーなにしてるんですか?」
「なにも」
「今ねぇこの子がねあなたのこと死ねって言ってたよ」
と”子供のふり”をして報告してきた。
もう片方の少し年長らしい少女は
くるりと背を向けていた
彼女はおさげにしていて髪の分け目がくっきり見える
この子供じみた正義感は不審者に、
近所の反感を伝えるという功を立てた
「あなたはどこかで見たことがあるね?そうだ......」
小さな人は途端に無表情になって後ずさりし、
二人とも逃げるように急いで去っていった。


自由詩 The Morning of the Neon Demon Ⅳ Copyright おまる 2024-11-26 22:47:11
notebook Home