窓のある日々
塔野夏子
君は淡いたそがれを纏って
窓にもたれていた
蜃気楼も虹も流星も
いつか共に見たその窓
その面影が
いまもこの部屋を染めている
君の言葉の記憶が きれいな水の雫のように
滴り落ちて 私を潤す
君のいない窓辺から
淡いたそがれが流れこむ
かなしさもさびしさもなく
君の面影を蜃気楼が虹が流星が
よぎる日々の果てに
やがて訪れる白銀の
平静
(
アタラクシア
)
自由詩
窓のある日々
Copyright
塔野夏子
2024-10-17 10:24:59