五行歌 矢のように
ヒロセマコト

日めくりカレンダーが
風でパラパラとめくれ
ちぎれて飛んでいく
慌てふためく私を
置き去りにして


ひっくり返すことのできない
残り時間もわからない砂時計
私が生まれると同時に
テーブルの上にことりと置かれた
今も見えない砂をさらさらと落としている


すべきことは山積み
したいこともたくさんある
それでも私は生き物だから
働いたり眠ったりする時間を
なくすわけにはいかない


死ぬ間際に多くの人が
もっと自分に正直に
やりたいことをやっておけばよかったと
後悔するというが
それはきっと、私にも約束されている


自由詩 五行歌 矢のように Copyright ヒロセマコト 2024-10-05 02:15:37
notebook Home