言ノ葉の彼方へ
森田拓也

 心の地図にのってない場所へ
  出掛けてくると君は言う

         ──UA





手紙書くきれいな気持ち小鳥来る

秋風を連れ去るもまた秋の風

鳥渡りきっぱなしの空の窓

渡り鳥夜の煙草はほの苦く

ボスといふ名の仔犬ゐて青蜜柑

蜻蛉とんばうの軽さに沈む稲穂かな

いたづらに案山子かかし顔なし稲雀

焼さんま待つ真つ白いお皿かな

さんま食ふ美味しく骨と格闘し

夜学生走れ!間に合ふ!あと五分!

息切らし挨拶する子夜学校

見上ぐれば帰る燕のおしりかな

雨に空濡れて燕の帰る日に


俳句 言ノ葉の彼方へ Copyright 森田拓也 2024-10-04 11:20:42
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