さよならを見上げて
ころここ

九歳から十歳になったとき

「もう、次に桁が変わるのは百歳までないね」

そう母親が笑ったとき

とても寂しくて いたたまれなくて

一桁にちゃんとお別れしてない自分が恨めしくて

懐古と愛情と きっと温かさから出た言葉に

私は笑顔では返さずに


きっと今日の私は そんな顔をしている



自由詩 さよならを見上げて Copyright ころここ 2024-09-30 15:31:48
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