命を奪う
レタス
私は魚を釣ったらすぐにピックを使い脳天絞めをする
頭にピックを刺してゴリゴリと捻じるのだ
魚はポッカリと口を開き昇天する
少年の頃はフナの解剖やカエルの解剖をエスケープしていた
臆病な私はワクチンの注射が怖くて順番がくると即座に逃げ出し
川遊びをしていて割れた硝子で人差し指を切ったときも
わあーっ! わあーっ!と大声で泣き
死んじゃうよーっ! 死んじゃうよーっ! と叫び
近所や学校では泣き虫〇〇ちゃんと呼ばれていた
でも苛めはなかった
喧嘩には強かったからだ
人類ほど多様な命を奪うものは他に見ることはない
食べられる物は何でも食べ
これは美味い! だの これはイマイチ… だのと
好き勝手に命の重さに気付かずに批評する
私もその端くれなのは否めない
渓流魚を釣って帰る途中に塩焼きは陳腐だから西京焼きにしようとか
南蛮漬けにしたらどうだろうとか
いろいろレシピを考える
人に救いはあるのだろうか? と思う時がある
人類ほど愛に溢れ
残酷な行為をする者はいない
不可思議な存在だ
晩方によく眠れたので
今から釣り支度をして渓に入ろうかと思う
昨日はニジマス狙いだったが
今朝はヤマメを狙いたい
煩悩に塗れたこの身は許されるだろうか どうか
私は殺戮を繰り返す