余韻
唐草フウ


あなたが見てきた髪の毛を
とうとう削ぎ切ってしまった
あっけなくあっさりと
思い出がぱらぱら落ちていき
掃かれて

さあ新しい自分になる
とはぜんぜん思わない
それでも少しずつ
風は変わって
会えたおかげで今が
侘びしくなっているわたしを
どうぞ許してね

影のない道を歩く
失った夏
初めての夏
突き抜ける蜃気楼
声の出ないピンヒール
軽くはならないね、
無限の燈火 






自由詩 余韻 Copyright 唐草フウ 2024-07-14 20:53:04
notebook Home