カスミソウ
陽向(2躯-30~35)

柔らかな地で少女が寝そべっている静かな自然の優しさに包まれ透明なオーラを放つ少女

まるで私たちここに住んでるかのよう悦びの極地、そこにある安らぎ

まだ目を瞑っている老人誰かの影がそこに投影される小屋の中の動物、鳴かない動物

だが動物は鳴いているまるでそこにいないかのように

小さな幼げな声が聞こえる唄っているようだ叢に紛れて揺れる花風は全てを連れ去りまた連れてくる

川はキラキラと透明な光を眩しげにあたりに投げかける木漏れ日もまるでそこに隠れるかのように一体となっているああ、この美しさを囚われとは云えない

私たち、過去世にいるみたいここはどこ? 私は誰?

鳥たちの姿、綺麗な川を泳ぐ魚、姿を見せない微生物ここに柔らかな少女の匂い

処女の霧が降りてきた私って、そんな純潔だったかしら?

どこかの喧騒が羨ましく思える実は私は、もっと薄汚れた世界の人たちと楽しく遊びたいのかも私を見つめる天使様は、私を思い違いしてるのかも

やっぱダメだわ、私はここじゃなきゃダメみたいいやな運命ね

夜闇の、暖かな暗闇、そこに浮かぶ悲しげな月青い空は、姿を消しているしかし少女にだけは夜なのに空が青く見える

私は不思議よ、幻の匂いがするの、置いてけぼりな私を何もかも知っているかのような匂い胸が締めつけられる、とても良い匂いのはずなのに、すごく辛いの

夕闇がぽかんと口を開き、そこには公園があるいつの日かの、私たちの居場所あなたはどこにいるの? 会いたいわ私ももう大人になるの、もっと早くあなたに出会えていたら一緒に手を取り合って遊びたかった

少女は眠る、より綺麗になってしまう前にあなたに出会えると信じて


自由詩 カスミソウ Copyright 陽向(2躯-30~35) 2024-07-14 16:31:40
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