空白
唐草フウ


白い紙の上にこぼれてにじんだ
わたしのかなしみ、
あなたのりんかく

揺れながら
つめたく細い流木のような腕を
にぎりしめたときを
かみしめる
揺れながら
幼子が ヒーローの名前を連呼する
ぐずりながら

きょうを迎えたこと
あなたはどう思っているだろう
すっかり時間が経ってしまったようで
白い紙の上のにじみは
かわくことなく

どんなにどんなに書いても書いても
このきもちは凝縮されない
されないままでいるだろう
ふやけた白い紙がきちんと折られるまで

どこまでも終わらない
わたしの空白、
あなたの旅







自由詩 空白 Copyright 唐草フウ 2024-07-07 08:46:13
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