夢、
リリー


 青いそらに
 一本の縄バシゴをかけて
 一人で昇って行くのだ

 小さくなってゆく姿を
 地上の人々は
 誰も気付かないままに

 陽に憧れてのぼって行くのではない
 高い塔から 脱れるために
 地球の引力圏を飛び出そうとして
 そこに
 陽があまりに美しかったから
 近づいて焼かれて死んだ

 そして海原に一枚
 鳥の羽を白く遺して死んだ私が
 今日生きている
 そんな 空、


自由詩 夢、 Copyright リリー 2024-07-07 08:40:19
notebook Home 戻る