哀悼

生温い風に吹かれている


魂はこの世に残らないのか
跡形もなく消えたあの人


生きる力を失いそうな時
思い出の欠片を
かき混ぜてみるけど
記憶をすり抜けて
静けさだけが残る


上がらない花火を待ちながら
あの人の骨が漂う海の匂いを嗅ぐ


風がそっと頬を拭った


自由詩 哀悼 Copyright  2024-07-03 17:53:17
notebook Home