夜中と甘納豆
唐草フウ

なんてことない夜に
マンガみたいなことないかな
おもしろいことないかな とか

ああ。今がそこまでおもしろくないんだ、と
面白かったときを一瞬
思いだして反射する
もう落ち葉みたいに
カサカサで
ぬれたらボソボソで


となりになれただけで
うれしかったのは本当だけど
それ以上なにも望ま(め)ない
好きかどうか答えの出ないときが一番至福


臆病になったのか、あきらめるようになったのか
(なにごとにも)
ああ、今何も詩的じゃない
格好つかない
そのままを見せることは
開きなおりか、あきらめるようになったのか
(いつからそうなった)
ほんとうはいろいろありすぎて
笑えないだけ
(たいしたことない)

眠っても日常しか来なくて
いや夢が照らす朝は来たかさえ忘れた

やけに小さい十六寸豆だなと思ったら
白いんげんだったことに気づいて
それでもまあいっかと
平坦ながらまだザラザラしてる
本当になんてことない


こんなことを書いてたらかかってきた電話ももうこなくて
持て余す時に夜中の感情
それがすごく嫌でもないのに
まだなにかに出逢いたがってる












自由詩 夜中と甘納豆 Copyright 唐草フウ 2024-06-18 00:39:32
notebook Home