夢のあとさき
秋葉竹



(短歌十一首)



いつの日か
あの青空をペンギンが
飛べる夢さえもぎ取られてた


底のない
悲しみみたいな雨が降る
夜に力に屈したやすらぎ


公園で
行列できるブランコを
こいだらゆけそう至福の一瞬


夕闇の
異国の神が壊されし
廃墟にころがる薬莢があり


かたくなな
覚悟のすべてを投げ棄てて
流れるように生きてゆきたい


唇の
色をけなげに変えるため
ちょい明るめのリップを塗る君


白昼に
灼けるみたいに痛む胸
笑顔を作り山茶花を切る


晴れ渡る
彼方の山脈までつづく
空を四角い窓からみている



もう君も
おとなというのがタカラモノ
なんて探しちゃいけない理由か



ゆく道が
わかっているなら幸せな
ような退屈だけになるけど



自転車を
夜中に君と賑やかに
こいでもゆけない夢のあとさき








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夢のあとさき、って言葉だけ知ってて、いざ使おうとおもったら、意味がちゃんとわかっていなくて、ハハ、あ、今日はチチの日だけどね、カタカナで書くとちょい変な感じだね。って、とりとめもなく日々は過ぎるのでした、と。


短歌 夢のあとさき Copyright 秋葉竹 2024-06-16 06:46:54
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