やまいのうた
秋葉竹





みおろすと
土曜の街の西半分
くるまもひとも少ない春のひ



病室で
さくやみた夢なんだっけ
春の陽射しにぼやけてしまって



ただ白い
世界が僕をつつむ布
やさしい薬を飲み寝てまた寝る


心だけ
堕ちないように健常を
羨ましいとは想いますけど


受け取った
言葉の色が変わるのは
さみしい夜を越えて来たから


辛くても
しあわせになる方向と
光の音のする夢をみる




ふと忘れ
寝返りをうつ点滴の
管が三日も刺さったままの手


絶食は
道場だってあるじゃんか
やっと痩せれるこれで痩せれる


そういえば
あのとき絶飲食だった
いまは水でも飲めるしあわせ









短歌 やまいのうた Copyright 秋葉竹 2024-05-11 11:23:53
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