ため息は黄色く吐いて
トビラ

八月のように
心をあらわに
噴き上がる痛み
目隠しをして
笑いあっていた
バス停は遠く
電車は遅く
返事を待つまで
日は暮れなかった

透けていく町の方へ
二人の影を落としても
いたずらしてる
仔猫の真似をしていても
僕の心の岸辺には
召集令状が届く

かなしい小鳥
黄色の戦地
完成しない夏が始まる


自由詩 ため息は黄色く吐いて Copyright トビラ 2024-05-07 23:46:27
notebook Home