小型スピーカーが欲しくなって
ネットを探すとゴロゴロ出て来るが
書き込みが信用できないので
本屋で小型スピーカーの魅力を特集した
オーディオマニアの雑誌を手に取った

分厚く高価な雑誌をめくると
ニ本ペアで三十万以上の製品ばかりで
とても手が出せるものではない
新製品のアンプやプレーヤの試聴レポートも
数百万円のものばかりだ

この本を買う方々は
それなりの財力があるのかもしれないが
スマホで音楽を楽しむ若者は
ミニコンポさえも買わなくなった
日本の名だたるステレオブランドは
看板を降ろしてしまい
視聴できるお店も稀なオーディオは
終わったコンテツだと思っていた

広告料
もしかしてこの雑誌は
売れなくても広告料で成り立っていて
書店に並ぶだけでいいのかもしれない
それを売値に乗せて数百万円になっても
その魅力に払える財力のある人が
数人いれば採算が取れるのかもしれない
銃弾一つだけ入れた
ロシアンルーレットだ

いくら高額な再生装置でも
原音を越えることはできないが
近づくことに意味があって
そのテクノロジーがスマホにも
活かされているのだろう
オーディオは終わっていなかった

雑誌を閉じて棚に戻す
本屋という再生装置さえ
ネットにおされて縮小しているので
根拠のないネット書き込みを信じるしかない
どんぐりの背比べだから
銃弾一つだけ抜いた
ロシアンルーレットだ