自称詩人のカラス
花形新次

風が吹いて
自称詩人が宙に舞って
風が止んで
自称詩人が頭から
アスファルトに叩きつけられる
頭蓋骨が
パックリと割れ
赤黒い鮮血とともに
カラスが一羽カアカアと
飛び出して行く
そんな叙情的な光景を見て
私は日本が大好きになりました

自称詩人の頭から飛び立ったカラスは
一体何処を目指しているのでしょう
そんなことに思いを馳せる一方で
自称詩人の亡骸は
ブルーシートに包まれて
放置され続け
やがて腐って、腐り果てて
アスファルトに人型の模様を刻みながら
ゆっくりと溶けて行きます

おめでとう自称詩人





自由詩 自称詩人のカラス Copyright 花形新次 2024-03-13 23:14:40
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