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朝のみそ汁から
 かつて棲んだ磯の香りがした

循環する水にうまれるいのちのすき間
 それをすくいそそぎ入れた

湯気が消えてゆく空にうかぶ
 一羽のかもめ



炊きあがった純白の粒を
 ほそ長いゆびからそっと浸すと

その身体へ、返すのだという
 笑顔がたまらなく眩しく

何でつかみ何につつむのか
 択びながら忘れてという



こぼしてもいいのだという、こぼれた場所も
 この星の上のどこかなのだから、と

器のへりにくる羽虫の舌が
 ひかりをあびて濡れながら

器の底に憩いつつある魚の凹みをなぞる
 金属・枯れ木・焼けた土、その他





自由詩Copyright soft_machine 2024-03-02 11:23:37
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