※五行歌 六首「今につながっている」
こしごえ
夜行性の葬列は
闇へと深まってゆき
闇の音は門をたたくと
葬列はちりぢりと解(ほど)けて
天の星々となった
・
何かを求め続けるのは
命が原初から欠けているからだ
けれど
足りていると思えば
今を満ちるこころ
・
これも
忘れる
と知りながら生きる
けれど忘れたことも
今につながっている
・
みつめる み つめて
詩を
たぐりよせて
ことばに解かし
えんぴつで書く
・
こころを
受け継ぐ
こころの
ほの暗いところに
光は座る
・
濃紫のローデスク
私の机は
私の生を
知っているこの机は
私の生の一部です