いやおい
アラガイs


                     月に葉隠れとはいうけれど
      そぞろ虫の影におびえる酩酊者 

道端で眠る小地蔵が倒れて 
 まだ青い無花果の実が零れ落ちている 

    お姉ちゃん、これをあげる
 七五三を前にした妹が小銭をさしだした

              あなたは腰掛けていた車椅子から手を離し 
    わたしはこれから心臓を取りに行ってきます

散々と散々たる光の所信はるちかく
          途方に暮れる山菜の群れ
 
 



自由詩 いやおい Copyright アラガイs 2024-02-18 14:04:08
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