よりそうように、あらためて 
あらい

一途な飛礫の成分を助け起こせば
奇跡を待つかたちをして あれば

例えばつぶらな、寝返りをうつ
古いビー玉と馴染んでいくのか

楽譜は反転した点描で出来るなら
よりそうように、あらためて


掘り崩しのステップは 
主にサンルームのエトスは、
消失はふたりぶん 飲み干した
おわり はじまりを、さかのぼる
無地の先を急角度で遮る乱調子
葉脈ばかりのウランガラス越しに

秘密を編んだ短いエッセイは 
研磨した中でアウトラインから
うねうねとゴーストを叩いて

ちいさく目を閉じて。
壊して。
ごめんなさい繰り返して


「もうおなじ、虫の息よ」


意味を成さない祈りの行為を出て
あなたも、わたしも、A5支線に游ぐ
華奢な迷夢のままで、是非、綴って

刻印のない雪降夜は
こぞって 唇に渇いて
口吻と星星と暇取る

蝕んで しまった、パノラマのうたが
夢遊病者のように、ささくれ、経つ

いいかげんな繻子織と鼻先のひかりは 
つくづく肉感だけの紫雲のおもみと 
不協和音を紗幕に溶いた排水に


タイプライターで空洞の午後を決めたの
セピアの瞳はいつも裏側にうまれて
じっとみつめて、ゆくんだよ
いま、モナリザの、淵に。かいなでる。

(杜撰を望むのはどうも――瞬(しばた)く)


もう「晴天の、さびれだ」


自由詩 よりそうように、あらためて  Copyright あらい 2024-02-17 21:47:16
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