出来
ひだかたけし

この朝に
カーテンを開ければ、
照り輝く残雪の甍
白銀から黄金に
道向かいの家、
陽の光に照射され

この朝に
トビラ開け放ち
僕は出て行く

また、外へと

(安寧の温かな泥のなかに
眠りこけて居た己という無窮 
叩き起こし)

外へ出たその瞬間に

イキナリ蒼く吹きつける冷風、

意識 俄に騒然とし

ふと 立ち上がる
時の張り裂ける現、
熱光 肉身貫き

生動するこの世界に 、

ひとつ 巨大な思惟の蠢きを観る。



自由詩 出来 Copyright ひだかたけし 2024-02-09 16:24:42
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