たもつ



体温が微かに響く
駐車場の隅に捨てられた
古い型の深海に
街灯のあかりが
とっぶりと落ちていく
コロナの夜は
静かに進む
階下から聞こえる
くぐもった洋画の声が
唯一の栞だった





(初出 R6.1.23 日本WEB詩人会)


自由詩Copyright たもつ 2024-01-24 07:10:39
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