雨氷
リリー

 
 柔らかに
 湖沼の堤に
 すいこまれていく
 霧雨は

 昼と夜の
 境に降りつつ
 水沫も作らず消えて行く時、

 涙もなく
 恋見送りし むくい
 心は 空なるものにむいた

 (冬の雨の 本当に悲しい一ときを誰も知らない)

 今
 見えねども
 あらたまの立つ月の
 唯 めぐる幻や
 


自由詩 雨氷 Copyright リリー 2024-01-13 10:07:15
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