百年草
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読めない手紙を
千の言葉で書いた
百年草の蜜で
犯した罪を赦すために

降り出した悲しみ
喜びと不幸せと希望と願い
祈り続けた人が説く
神様の意味

声が遠く聴こえる
私ではない
他の誰かの為の言葉だから
此方を見てと呟く

いつかこんな役立たずに
心なんてないと言って
屑籠に捨てられるでしょう
分かってはいるんです

醜い生き物に
弱い生き物に
愚かな生き物に
病んだ生き物に

人を愛することなんて
できないのでしょう?
人に愛されることなんて
できないのでしょう?

それでも花を手折り、弔った
空が喜びで泣いています
二度と目を覚まさないことは
死という救済です

今日も明日も特別な日
あなたの声を聴くだけの
何も見えない耳を使って
愛していると笑うのです


自由詩 百年草 Copyright 303.com 2024-01-05 05:55:45
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