夜間飛行
リリー

 辺り一面
 風 逆巻いて
 身体の浮き上がりそう

 其処に 貴方が居るから
 無条件でしがみ付く

 「あ、今度はジャンボ機や!」
 黒壇の様な空に灯る
 右翼端の緑
 左翼端の赤
 不動光は高度を下げて
 真っ正面に 
 迫り来る アルミニウム合金の胴体

 (気流で押し潰されるのではないか、
  逃げる場所が無い!)
 丈高く肩幅広い
 近頃メタボチェックを気にするようになった
 貴方のお腹へ 抱きつく私
 
 関西空港へ着陸して行く飛行機で胸が躍る

 「もう僕のデートスポットの引き出しは、
  無くなってきたよ。」
 片手で頭を掻きながら呟く貴方からの
 クリスマスプレゼント

 「ありがとう!」
 の声も大きくなる
 二人、見上げる
 また近付いて来たNavigation Light


自由詩 夜間飛行 Copyright リリー 2023-12-24 14:29:41
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