okaeri.com 41-50
AB(なかほど)


波の音は おーい って
波の音が おーい って
小舟の陰では カサカサ って
 
 
 
おはようはいつも新しく
おやすみなさいはいつも優しく
休日の陽射しがとても穏やかでも
 
 

雨、降るげん、とランドセル
見上げると母の傘
僕は眩しくて、笑ってしまった
 
 

小春日和の犀川の堤から
ふんわりロケットを発射する
あまりにもゆっくりと静かなのだけれど
 
 
 
つながっている
君のすべての言葉は
君の世界の全てに繋がっている
 
 
 
ひとつぐらいは誰かの竹竿に
ぶらさがったままでもいいのに
虫送りの火は遠く、どこまでも遠く
 
 
 
早くお家に帰ろうと思うのだけれど
僕らのカラータイマーの単位は相対的で
そんなもの付いてないのが本物だよ
 
 
 
はじめのお話へ
はじめの言葉へ
はじめての魂へ
 
 
 
白山さんに降る雨は百年後の加賀平野を潤す
その雨が降っているので
ゆっくりとお茶をすする
 
 
 
空きっ腹と夜を更かして
こおろぎのように鳴いてみる
りんごのような君へ
もう思い出せない夜にしておくれ





   


自由詩 okaeri.com 41-50 Copyright AB(なかほど) 2023-11-18 11:55:30
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