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AB(なかほど)
わかったよ
本当はもうとっくに思い出してるよ
差し出された干し柿はとても甘く
ギルー ギルー
僕はもう誰にも呼ばれないよ
アンダクェーとキジムナーは山原に消えたよ
パンドラパンドラって言いながら
ただ笑っていただけのあの日々に
手の届かない夢なんてなかった
変わってない景色などなにひとつないけれど
なにひとつ変わらなかった思いが
今、静かに散っている
君の街に雪が降っていることなんか知らない
それが君の心を優しく包み込むだろう
なんて思わない
そんな人達に
もう、いいのですよと言うのが
僕の仕事なのだけれど
Tokyo Tokyo
Bye Bye Tokyo
もう帰るよ って
言葉は心を越えられないこと知っているのに
心が言葉を越えられないとうつむいてみる
それが、林檎のように沈んでゆく
きれいだったんやろなあ
と
毎年三度後悔している
問いかけられた言葉は
そこから先には進めない風景の中で
夕陽にさえ染まらずに
僕は今でもそれを噛み砕いている
自由詩
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AB(なかほど)
2023-11-11 08:21:02
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